子供のいる世帯が、子育てをしながら、商いを行い、その生活全体が地域の新たな循環の一部ともなる住宅環境を提案しました。部屋よりも大きいボリュームが、前面の道路や隣地、周辺環境との距離を各々取ることで、前後左右の空間と多様に関わり合い、住居スペースや仕事場を関係付けていきます。そうした住居が集まる住宅群は、敷地境界を意識させないとともに、地域に点在する「だんじり」を収める蔵を想起させ、「近隣の人」と「住人」、「暮らし」と「仕事」を紡ぐ糸のように豊かな風景として現れます。